ディスプレイを変態してみた

このエントリはHENTAI Advent Calendar 2012 - 変態アドベントカレンダー -の21日目です。
昨日は@posauneid:posaunehm)さんのJavaをC#に変態させる。でした。

そも、変態とは何か

調べてみました。

へん‐たい【変態】
[名](スル)
1 形や状態を変えること。また、その形や状態。

*1*2
ということで、何かを変態させることにします。

何を変態させるか

ちょうど僕の目の前には、具合の悪くなった液晶ディスプレイがあります。ただ捨てるというのも忍びないので、こいつを何かに変態させようと思います。

構造を見てみる

変態させるにしても、中身がどんな具合か分からないことには変態させることができません。気前よくエイヤとバラして構造を確かめてみます。

液晶ディスプレイの構造

こんなんでました(写真無いです)

  • 制御基板
  • 液晶パネル
  • 発光部
  • あとは筐体

発光部は、蛍光灯のような管とパネルで構成されています。前者を冷陰極管、後者を導光板と云います。気前よくバラした余波を受けて、冷陰極管は割れました。

何に変態させるのか

構造が分かったところで、何に変態させるか決めようと思います。

利用する部品の選定

色々部品が出てきましたので、これらをどう利用できるか考えてみます。

制御基板類
制御基板は液晶ディスプレイを構築することに最適化されていますので、これを利用してもできあがるのは液晶ディスプレイでしょう。今回の目的は修理ではなく変態なので、こいつは使わないことにします。
液晶パネル
液晶パネルを利用しても出来上がるのは液晶(ry
発光部
冷陰極管は発光部として使えそうですね、ただし割れてしまっては使いようが無いので、こいつも利用しないことにします。
導光板
冷陰極管は割れてしまいましたが、光源を入れてやれば面光源として利用できそうです、これが何かに使えそうですね。

トレス台に変態させることにしましょう

皆様ご存知の通り、面光源を利用するものとしてお馴染みなのは、やはりトレス台です。
ということで、今回は液晶ディスプレイをトレス台に変態させることにします。

変態レシピ

変態させるものも決まったので、材料を用意します。
とは言え今回必要な物は光源となるものだけです。これにはもう1セット冷陰極管を用意してもいいですが、せっかくだから今回は最近普及しているLEDバックライト液晶に倣って、LEDを光源として用いることにします。

用意するものは以下の4つです

  • LED
  • 抵抗
  • 電源
  • 生基盤

LEDを選ぶ

LEDといえばこんな形のもの

がよく知られていると思いますが、冷陰極管が収まっていたスペースに回路込みでこいつを収めるのはなかなか難しそうです。↓

そこで今回は、下のような「チップLED」というのを使うことにします。

白色チップLED UW1143B - 秋月電子通商

基盤を選ぶ

続いて基盤を選びます。素材はガラスエポキシとか紙フェノールとか、色々ありますが、ここで問題になってくるのは実は厚みだけなので、LEDの厚みとの組み合わせで好きなモノを選べばいいです。
先ほどのLEDの厚みが大体2mmくらいなので、今回の場合、基盤の厚みは1mm〜1.5mmくらいであればよさそうでしたので、どこでも売ってる紙フェノール基盤の1.5mm厚のものを利用しています。

抵抗を選ぶ

LEDを発光させるには、大雑把に以下のような回路を組めばいいですが、適切な抵抗値の抵抗を挟んでやらないと、光らなかったり焼き切れたりしてしまいます。

抵抗値は使うLEDの電気特性から計算しますが、このあたりの話は秋月電子通商さんに詳しい説明があるので割愛します。*3

今回は、抵抗値75Ωの抵抗を用意することにしました。もちろんこんな形

の抵抗では隙間に収まらないので、こちらも「チップ抵抗」というのを使います

電源を選ぶ

今回は以下の回路を12個並列にして光源として用いることに決めました。

電源は12V/1.0Aくらいで十分そうだったので、この要件を満たすACアダプターを利用することにしました。

変態作業

いよいよ液晶パネルを変態させるべく実際の作業に入ります。
おおまかな流れは「基盤を作成する」→「ハンダ付けをする」→「組み込む」→「おわり」です

基盤を作成する

まずは基盤を作ります。
スペースに収まるよう細く切った基盤の上に、以下のパターンを描きます。

白い部分が導通箇所、黒い部分が非導通箇所です。このパターンによって先ほどの回路を実現することができます。
パターンを基板上に描く手法はいくつかありますが、一番簡単なのはアクリルカッターで銅箔部分を削り取る方法だと思います。

ハンダ付けをする

特筆すべき箇所はあまり無いですが、LEDや抵抗を据え付ける部分に、予めハンダを盛っておくと捗ります。LEDの陽極と陰極を間違えないように気をつけて作業しましょう。

出来上がった基盤がこちらになります。

……あまりハンダ付けがうまくないのはご愛嬌というところで一つご勘弁

組み込む

あとは発光ユニットを導光板ユニットに組み込めば、作業完了です。

レールに収めて

導光板ユニットに差し込みます

バラックですが、電源を組み付けます

_人人 人人_
> 突然の光 <
 ̄Y^Y^Y^Y ̄

……いくつかLEDがお亡くなりになっているのが気になりますが、見事液晶パネルはトレス台へと変態を遂げました。

今回のまとめ

  • 液晶パネルを分解してトレス台に変態させました

このトレス台で皆様のTDD(Trace Driven Designworks:トレス駆動デザイン)ライフが実り多きものになりますようお祈りいたします。

明日は@SatohJohnさんです。

*1:http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/200474/m0u/

*2:引用は恣意的です

*3:http://akizukidenshi.com/download/led-r-calc.pdf